ごあいさつ

大分県信用組合理事長 吉野一彦

皆さまには、平素より格別のご愛顧とご支援を賜り厚くお礼申し上げます。

当組合は地域の皆さまに真にお役に立てる金融機関をめざして、さまざまな課題に取り組んでおります。

これからも地域の協同組織金融機関として、社会的使命と公共的役割を十分認識のうえ、さらに良質な金融サービスの提供に努めながら、「愛され、信頼されるけんしん」を創造してまいります。

今後とも、皆さまの一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。

健康経営への思い

私が「健康の大切さ」を命の根源として深く意識するようになった原点は、幼少期の記憶にあります。

当時、私の父は重い病を患っていました。静まり返った夜中に、毎晩のように響く父の苦しそうな喘ぎ声。そして、その傍らで四六時中、祈るように看病を続ける母の張り詰めた背中を、子どもながらに胸を締め付けられる思いで見つめていました。

家族がたった一人でも健康を損なえば、たとえ団らんの食卓に料理が並んでいても、心から笑い合うことはできない――。幼い私にとって、それは「生きることの哀しみ」を体感した、あまりにも切実な原体験でした。

その想いは、現在の職場に身を置いてからも、ある出逢いによって決定的なものとなりました。

かつて、末期がんで入院していた大切な職員を見舞ったときのことです。病床に伏しながらも、なお力強く私を見つめ返してきた、あの「生きたい」と激しく渇望する眼差し。言葉を超えて命の尊さを訴えかけてきたあの瞳を、私は今でも片時も忘れることができません。

経営とは、ただ数字を追うことではない。役職員一人ひとりの、かけがえのない命の輝きがあってこその企業経営です。そして、大分県民の皆さまの健やかな笑顔があってこそ、真の地方創生は成し遂げられます。

私たちはこの原点を胸に、すべての人の命と幸福を守るため、確固たる決意をもって「健康経営」という使命に邁進してまいります。 

経営方針と健康経営推進方針の結びつき

当組合は、「金融サービスの向上に努め、地域社会の発展に貢献する」という基本理念のもと、地域に根差した金融活動を展開してまいりました。少子高齢化や地域経済の構造変化など、激動する環境のなかにあって、この理念を揺るぎないものとして実践し続けるために、私は「健康経営」を単なる福利厚生ではなく、当組合の中核的な経営戦略として位置づけております。

当組合における健康経営と経営方針の結びつきは、まさに「人財の活性化」と「地域への貢献」が同軸で回転するサイクルそのものです。

第一に、すべての原動力である職員の「こころとからだの健康」こそが、経営の最重要基盤です。最前線で働く職員一人ひとりが心身ともに健康であり、笑顔で最大のパフォーマンスを発揮してこそ、お客さまに信頼され、質の高い金融サービスを提供することが可能となります。私は、健康経営を事業計画の基本方針に明文化し、組織の活力を高めることで、基本理念である「金融サービスの向上」をより高いレベルで持続させてまいります。

第二に、当組合が推進する健康経営は、組織の内部にとどまらず、「大分の地方創生」という外向けの方針とも深く結びついています。当組合は、大分県民の皆さまの健康寿命の延伸を地域金融機関の社会的使命と捉え、自治体や専門機関と連携した「健康定期」や、医療・介護分野へ投資する「健康関連ファンド」といった独自の「健康・資金循環システム」を構築してまいりました。

さらに、私たちが自ら率先して健康経営を実践し、ノウハウを蓄積することは、地元の中小企業に対する健康経営の普及・伴走支援を行うための確固たる土台となります。自らが模範となり、取引先企業の健康経営をサポートしていくことで、地域全体の生産性向上と組合員の発展を支えていく所存です。

職員の健康を起点として、金融サービスの質を高め、ビジネスを通じて地域社会のウェルビーイング(幸福と健康)に貢献する――。これこそが、私が目指す健康経営と経営方針の強固な結びつきであり、持続可能な地域社会の実現へ向けた当組合の決意です。

今後とも、皆さまの変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

理事長 𠮷野 一彦